(A)放射光励起反応によるエレクトロニクス材料のナノ・マイクロ加工
姫路工業大学 高度産業技術研究所 光応用・先端技術大部門 助教授 内海裕一
ナノとは10億分の1を意味する単位で、波長がこのレベルの放射光は物質との相互作用が強く、物質の加工や合成、表面の制御などが可能です。Spring-8が物質の分析などに適しているのに対して、ニュースバルは軟X線で物質の加工等に適しています。日本で3番目に大きいニュースバルの放射光を用いて、現在様々なマイクロ加工が試みられています。その一つがリソグラフィーという技術で、マスクを通して放射光を当て、パターニングにより型を作成する。適度に不純物が添加されたSF6ガス存在下でエッチングを行い、不要部分を削り取る。放射光の特徴として、一方向に加工できる異方性エッチングと末広がりの形状となる等方性エッチングが可能で、ガスの状態によって状況も変えることができます。これに型材を鋳込んで微細な金型を作成し、各種の製品を作ることができます。
(B)1.5GeVクラスの放射光施設 ニュースバルで可能な分析法と産業利用
姫路工業大学 高度産業技術研究所 光応用・先端技術大部門 助手 春山雄一
放射光は、その波長に連続性があることが一つの特徴です。この特徴を生かして、回折格子などを用いて放射光を分光し、各種材料の評価などに使用することができます。ここでは、ニュースバルの材料分析用ビームラインを用いた「光電子分光分析法」の研究例が紹介されました。物質にX線などを照射すると光電効果によって光電子や各種の光が放射されますが、飛び出した光電子は被測定物質固有の性質を持つため、その運動エネルギーや放出角度等を測定することによって、その物質の元素分布や電子状態等を調べることができます。講演では、フッ素樹脂やシリコン酸化膜などの分析研究事例の紹介がなされました。
(C)ナノテクノロジーと産業利用
姫路工業大学 高度産業技術研究所 光応用・先端技術大部門 教授 松井真二
ナノテクノロジーとは、100万分の1ミリメートルレベルのサイズで原子や分子を操作・制御したり、物質の構造や配列を制御することで、ナノサイズ特有の物質特性を利用して新しい機能や特性を活用する技術です。この技術には「情報メモリーなどの微細化」「原子・分子を積上げてデバイスなどを組上げる自己組織化」「バイオやナノマシンとの融合」という3つの分野で研究が進められています。情報技術、環境、ライフサイエンス、材料等の製造プロセス技術の中心となる技術で、国としても21世紀の重要分野と定めています。現在デバイスなどの分野では日本が世界的に優位に立っていますが、その他の分野では米国が進んでいます。将来の量子通信分野で期待される次世代の新しいナノデバイスでは、トップダウン方式とボトムアップ方式を組み合せた技術が必要となるでしょう。第1分科会では、活気溢れるプレゼンテーションが行われ、多数の質問も提起され、熱気溢れた研究会となりました。(報告者:岩崎)
(D)基礎研究と応用の狭間で-光が演ずる刹那の世界-
姫路工業大学 大学院理学研究科 物質科学専攻 教授 高木芳弘
(E)放射光X線構造解析で何が見えるか?
姫路工業大学 大学院理学研究科 物質科学専攻 教授 鳥海幸四郎
(F)固体触媒反応と不斉合成
姫路工業大学 大学院理学研究科 物質科学専攻 助教授 杉村高志
第2分科会は3テーマとも理学部の先生の発表で、前回の工学部の発表時とは会員及び一般参加者の顔ぶれが若干違うように見受けました。狭い研修室に20名ほどの方に出席していただき、先生の発表に熱心に聞き入る様子には、何か1つでも仕事に結び付けられる糸口を見つけたいという強い意欲を感じました。先生側からは「発表時間をもう少し長くしてほしい(30分を50分程度まで、本論に入る前に基本的な説明が必要なため)」、参加者側からは「発表されたものが将来的にどのような形で実用化される可能性を知りたい」との希望がありました。(報告者:渕脇)
司会進行:中村副会長 コーディネーター:大島敏男先生・近藤正義先生 産学官連携推進員:脇坂彰一先生。この機会に先生方へ自社の問題点などを相談できる場ですが、PR不足なのか参加者が非常に少なく、先生方の頭を休めていただく場になっていました。参加していただくと先生を独占できますので、会員の皆様、今後ふるってご参加ください。(報告者:中村)
研究開発支援棟の施設見学:ひょうご科学技術協会のご好意により、研究支援棟の中を特別に見学させていただきました。
懇親会:2階 交流サロン 司会進行:山口企画委員長