知的財産権研究会

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知的財産権研究会 事業報告

テーマ:自社の知財を引き出そう!

知的財産権研究会報告

開催日時 7月21日(木)13:30~17:30
場所 姫路商工会議所 新館201会議室
内容 弁理士vs企業3社によるパネルディスカッション
   弁理士:石井久夫氏(青山特許事務所)   
   パネリスト:①(株)イトデンエンジニアリング社長 伊藤茂男氏
       ②龍野コルク工業(株)社長       片岡孝次氏
       ③松岡瓦産業(株)社長        広瀬美佳氏
参加者 62名

 去る7月21日午後1時30分から、姫路商工会議所、ものづくり支援センターとの共催で「知的財産権研究会」を開催しました。当日は大変暑い中60名を超える方が参加され、講師に青山特許事務所の石井弁理士を招いて、まず「知的財産権とは?」から始まり、会員から選ばれた企業3社と石井弁理士によるパネルディスカッション、そして最後に参加者との間で具体的な中身での質疑応答が行われました。

最初に石井弁理士から「播磨には、物づくりで革新的な企業が少なく、厳しい事業環境の中で生き残るためには、独自の発想による技術革新を行い、自社の強みとして戦略化していくことが大切である」そして「知的財産権を考える以前に、企業のイノベーションを高めることが最も必要なことである」と、普段忘れがちな物づくりに対する考え方についてのお話がありました。またインターネットによる類似特許調査の手順をプロジェクターを使って実際に見せていただきましたが「特許出願にあたっては、類似特許調査の仕方がわからず時間がかかることが多いが、インターネットなら簡単にできるのでぜひ試して欲しい。」とのことでした。
続いて、会員企業とのパネルディスカッションでは、実際に行っている開発・改良の取り組みに対して、各社代表者とのトークによって「特許に成り得るか?」「特許を取得するために何をすればよいか?」を、具体事例をもとに解説していた
だきました。

イトデンエンジニアリング(省力化設備の設計製作)
 「モーター取り付け方法の改良」
龍野コルク工業(発砲スチロール等の製造販売)
 「発泡スチロールとウレタンを組み合わせた3次元立体加工品の開発」
松岡瓦産業(株)(いぶし瓦の製造販売)
 「瓦表面のいぶし劣化反応の解明と電池への応用」

各社とも、新しい製品の開発や改良に取り組んでいるものの、知的財産権としての価値や効果など、わからないことが多いとの意見が多いようでしたが、石井弁理士とのトークによって、各社での取り組みが知的財産権にどう結びつくかのイメージが多少なりとも持てたのではないでしょうか。中でも龍野コルク工業様では、今回の発表にあたって石井弁理士と事前討議した製品を、実際に発表日の午前中に出願されるという成果もあったようです。

全体の質疑応答では、会場参加者とのやりとりが活発に行われ、「特許出願してノウハウを公知させることで不利益になることもあるため、特に製法特許の場合は特許出願するか否かよく考えなければならない」との事業戦略にかかわる大変重要なアドバイスや、「製品や商標を公正証書で残しても、先願主義であるため特許権はないが、自社だけでの生産販売は継続できる」「最近では特許出願にかかる費用の相場は100万円もかかるので、できることは自分でやること」などの具体的なもの、また兵庫県立大学の元山先生からは、松岡瓦産業と共同研究の瓦表面のいぶし劣化反応に関する研究発表の状況についてのご説明があり、はりま産学交流会を通
じた産学連携による具体的な取り組み成果もかいま見ることができました。

最後に石井弁理士から、「特許出願するかどうかは、費用対効果等をよく見極めて効果がなければしない方がよい」「あくまでもイノベーションによる独自性の追求こそが企業のやるべきことであり、イノベーションのない企業は衰退する」「播磨地域では、ただ単にものを作っている企業が多く、イノベーションのない企業が多い。みなさんの中からぜひ世界に通用する優秀な企業が育って欲しいと願っている。」と、知的財産権を超えた見知から我々会員に対して、地元播磨ご出身の立場で叱咤激励を頂き、約4時間に及ぶ初めての試みは終了致しました。

(報告者:田路企画委員)

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