研究発表会(一日神戸大学)
平成17年度事業報告へ戻る
『一日神戸大学 』事業報告
~神戸大学を訪問~
生命を科学する!「一日神戸大学」 事業報告
開催日時: 8月19日(金) 13:00~18:30
場所: 神戸大学 六甲台 瀧川記念会館大会議室他
内容: 第一部 研究発表会
第二部 研究室見学 (工学部)
第三部 よろず相談会
第四部 交流会
参加者: 65名
今回のウリは、姫路まで先生方に来ていただくのではなく、こちらのほうから大学へ出向いていき、研究室の見学を含めて、能動的な一日神戸大学を実施しようということでした。
姫路駅南のバスターミナルに午前10時に集合し、バスで神戸六甲の神戸大学を目指しました。昼前に到着し、まず学食で昼食。個人的には最も盛り上がった時間でしたが、参加された方も数十年ぶりの学食を楽しんでいただけたような気がしています。
13:00から、瀧川記念会館の2階大会議室におきまして、以下の内容で研究発表会が開催されました。
【研究発表会】
1.「近赤外線分光法による野菜内硝酸イオン濃度の非破壊測定法」
神戸大学農学部生物環境制御学科植物栄養学 助手 白石斉聖先生
植物は根から硝酸イオンを吸収し窒素化合物を合成します。しかし、人は硝酸イオンを直接利用できないので、植物の合成した生体成分を食事で摂取しています。
植物にとって硝酸イオンは必須栄養素ですが、人にとっては幼児のメトヘモグロビン血症やニトロ素化合物による胃がんの誘発など、一定量以上の摂取を防ぐことが好ましいと考えられています。硝酸イオンは野菜から摂取されることが多いので、野菜中の濃度測定が必要ですが、従来法は測定が複雑で時間がかかりました。このたび、近赤外線分光法を用いて非破壊測定法を開発されたので、それの紹介を頂ました。
2.「果物をタンパク質工場に」
神戸大学農学部生物機能化学科生物化学 教授 山形裕士先生
メロンに大量に発現しているククミシンという酵素の遺伝子がクローニングでき、その遺伝子の中に、果物での特異的発現を調節するDNA配列を見つけられました。
これらをうまく使って、いろいろな有用なタンパク質を大量に果物で作らせる技術を開発しているとの説明をいただきました。
3.「MRをもちいた低浸襲治療支援」
神戸大学学術情報基盤センター 助教授 熊本悦子先生
クオリティ オブ ライフ (QOL)の向上を目指して、低侵襲性治療法が注目されており、MR(磁気共鳴診断装置)を用いて、治療支援を行う研究をされています。
放射線を浴びるX線を用いる画像の代りにMRを用いて画像を得ているとのこと。
三次元情報も得られるので体内ナビゲーションへの応用も考えられる等の発表をいただきました。
4.対話型テレビ
神戸大学都市安全研究センター都市情報システム 教授 有木康雄先生
テレビは映像を瞬時に伝達するメディアですが、情報や検索収集するインターフェイスとしての役割を持ち始めています。人間と音声対話ができ、人間の意図なども推察して、欲しい情報を検索できるテレビの開発に取り組まれています。そのために映像コンテンツを解析統合し、構造化して、意図理解、コンテンツ検索のできるシステムを開発されており、実際の映像を見せていただきました。
【研究室見学】
発表会の次は二つ目のウリであります研究室の見学を行いました。参加者が3つのグループに分かれ、以下の研究室を順に見学させていただきました。
各研究室では、先生や研究員の方々が分かりやすく説明をくださり、大変興味深く勉強させていただきました。
①大前研究室(工学部機械工学科)
高エネルギー原子ビームによるナノ表面制御 フラーレン、オニオンライクカーボンの作製。日本の大学では唯一の高エネルギー原子ビーム、ナノ表面制御への適用他。
②森脇研究室(工学部機械工学科)
楕円振動切削による超精密加工、金型、難切削材料の精密加工、超精密加工に適用他。
③出来研究室(工学部応用化学科)
ナノ空間合成法による規則的空孔をもつ機能性薄膜の作製他。
じっくりと見学させていただきましたので、時間が押してしまい、よろず相談会には十分な時間が取れませんでした。この場をお借りしてあらためてお詫び申し上げます。
最後に恒例の交流会を開催させていただきましたが、記念会館から眺める美しい神戸の町並みもそこそこに、参加者の皆さんが熱心に交流されておられていたのが印象的でした。
おまけとして、帰りのバス内では片岡委員長の巧みな誘導で、いろいろな方の楽しいお話を聞くことができ、また一風変わった有意義なバスの旅になりました。
報告:伊藤企画委員